UE5で個人アクションゲームを制作

目次

UE5で個人アクションゲームを制作・販売する完全ガイド:アセット・テンプレート・自作の徹底比較

個人ゲーム開発の現実と可能性

個人でゲームを制作し、販売する。それは多くのゲーム愛好家が一度は夢見る目標です。しかし、「完璧を目指すと完成できない」という言葉がある一方で、「ある程度のクオリティがないと販売できない」という現実も確かに存在します。

特にUnreal Engine 5(UE5)のような高性能エンジンを使う場合、プロレベルのビジュアルが簡単に実現できる反面、それに見合った全体的なクオリティが求められるという矛盾した状況に直面します。

本記事では、UE5を使った個人アクションゲーム開発において、アセット使用テンプレート使用完全自作という3つのアプローチを徹底的に比較し、それぞれのメリット・デメリット、適した状況、そして実際に販売可能なクオリティに到達するための戦略を解説します。

現状分析:あなたのゲームは販売できるレベルか?

まず、厳しい現実から向き合いましょう。GameHubに掲載されているような初期段階のゲームは、無料配布プラットフォームには適していますが、Steamやitch.ioなどで有料販売するには、以下の点で改善が必要です。

販売可能なゲームの最低基準

ゲームプレイの完成度:明確な目的、適切な難易度調整、バグの少なさ、プレイ時間の確保(最低でも1〜2時間)が求められます。

ビジュアルクオリティの統一性:アセットを使用する場合でも、全体的な美術スタイルが統一されている必要があります。UE5の高品質なビジュアルと低品質なアセットが混在すると、プレイヤーに違和感を与えます。

ユーザーインターフェース(UI)の洗練:メニュー画面、HUD、設定画面などが直感的で美しくデザインされていることが重要です。これは多くの初心者開発者が見落とす部分です。

サウンドデザイン:効果音、BGM、環境音が適切に配置され、ゲーム体験を高めている必要があります。

パフォーマンス最適化:一般的なPCで安定して動作すること。フレームレートの低下やクラッシュは致命的です。

ストーリーやコンテキスト:アクションゲームであっても、プレイヤーが「なぜ戦っているのか」を理解できる最低限のストーリーやコンテキストが必要です。

現状のGameHubのゲーム(「異世界戦士」「Turtle Attack」など)は、基本的なゲームループは実装されていますが、上記の点で商業販売レベルには達していないと考えられます。しかし、これは出発点であり、改善の余地は十分にあります。

アプローチ1:アセット中心の開発

アセットとは何か

UE5のMarketplaceや外部サイトで販売されている、3Dモデル、アニメーション、エフェクト、サウンド、環境、システムなどの既製コンポーネントです。これらを組み合わせてゲームを構築します。

メリット

開発期間の大幅短縮:3Dモデリング、アニメーション制作、エフェクト作成などの時間を大幅に削減できます。個人開発者が数ヶ月かかる作業を、数時間で完了できる場合もあります。

プロフェッショナルなクオリティ:高品質なアセットを使用すれば、AAA級のビジュアルクオリティを実現できます。UE5のLumen、Naniteと組み合わせることで、驚くほど美しいビジュアルが可能です。

コストパフォーマンス:アセットは通常、数千円から数万円で購入できます。フリーランスのアーティストに依頼するよりも圧倒的に安価です。

学習効果:高品質なアセットを分析することで、プロの技術を学べます。ブループリントやマテリアルの構造を研究できるのは大きな利点です。

多様性とバリエーション:多くのアセットパックには複数のバリエーションが含まれており、ゲーム内の多様性を簡単に確保できます。

デメリット

オリジナリティの欠如:同じアセットを使用している他のゲームと似通ってしまう可能性があります。「どこかで見たことがある」という印象を与えかねません。

スタイルの不統一リスク:異なるアーティストが作成したアセットを組み合わせると、視覚的な統一感が失われる危険性があります。テクスチャの解像度、ポリゴン数、アートスタイルが異なると、非常に安っぽく見えます。

カスタマイズの限界:アセットは汎用的に作られているため、ゲーム固有のニーズに完全には合わない場合があります。改変には3Dモデリングスキルが必要になることもあります。

ライセンス問題:アセットのライセンス条項を正確に理解し、遵守する必要があります。商用利用が制限されている場合や、クレジット表記が必要な場合があります。

コストの累積:高品質なアセットを複数購入すると、合計コストが予想以上に膨らむことがあります。キャラクター、環境、エフェクト、UI、サウンドなどを揃えると、数万円から数十万円になることもあります。

依存性の問題:アセットが更新されなくなったり、UE5の新バージョンで動作しなくなったりするリスクがあります。サポートが終了したアセットは、将来的に問題を引き起こす可能性があります。

アセット使用の成功戦略

統一されたアートスタイルの選択:購入前に、すべてのアセットが同じアートスタイル(リアル系、セルシェーディング系、ローポリ系など)であることを確認します。同じアーティストのアセットシリーズを使用するのが最も安全です。

カスタマイズの計画:購入したアセットをそのまま使うのではなく、色調補正、マテリアルの調整、一部のモデル変更などで独自性を加えます。

ハイブリッドアプローチ:重要な主要キャラクターや独自のメカニクスは自作し、背景や敵キャラクターなどはアセットを使用するという組み合わせが効果的です。

バンドルの活用:Epic Games Storeの月額無料アセットや、セール期間中のバンドル購入で、コストを抑えながら高品質なアセットを入手できます。

レビューの確認:購入前に必ずレビューを読み、UE5での動作状況、品質、サポート状況を確認します。

推奨アセットカテゴリ(UE5 Marketplace)

環境アセット:「Medieval Environment」「Sci-Fi Modular Environment」など、大規模な環境を短時間で構築できます。

キャラクターパック:「Infinity Blade」シリーズ(無料)や「Paragon」キャラクター(無料)は、AAA級のクオリティです。

エフェクトパック:「Niagara Fluid Simulation」「Magic Effects」など、UE5のNiagaraシステムを活用したエフェクトは非常に美しいです。

アニメーションパック:「Advanced Locomotion System」や「Sword & Shield」などのアニメーションは、リアルな動きを実現します。

UIキット:「Sci-Fi UI Kit」「Fantasy UI」など、洗練されたインターフェースを素早く実装できます。

アプローチ2:テンプレート中心の開発

テンプレートとは何か

基本的なゲームシステム(移動、戦闘、カメラ、UI、敵AIなど)がすでに実装されているプロジェクトファイルです。アセットよりもさらに包括的で、「ゲームの骨格」がすでに完成している状態から開発を始められます。

メリット

最速の開発スタート:ゲームの核となるメカニクスがすでに実装されているため、開発初日から実際にプレイ可能な状態から始められます。

実装の参考資料:プロが作成したブループリントやコードを学べるため、学習効果が非常に高いです。「どのように実装すればいいか分からない」という初心者の最大の壁を乗り越えられます。

ベストプラクティスの習得:適切なプロジェクト構造、命名規則、最適化技術などを実際のプロジェクトから学べます。

完成度の保証:基本システムは既にテスト済みでバグが少なく、安定しています。これにより、デバッグの時間を大幅に削減できます。

拡張性:テンプレートは拡張を前提に設計されているため、新しい機能を追加しやすい構造になっています。

コストパフォーマンス:一つのテンプレートで、通常数ヶ月かかる開発作業を数週間に短縮できます。時間をお金で買うという意味で、非常に効率的です。

デメリット

差別化の困難:同じテンプレートを使用している他のゲームと酷似してしまう危険性があります。プレイヤーは「またこのテンプレートか」と気づくことがあります。

ブラックボックス問題:複雑なテンプレートは内部構造の理解が困難で、問題が発生した時に解決できない場合があります。コードを読み解く能力が必要です。

不要な機能の肥大化:テンプレートには自分のゲームに不要な機能も多く含まれており、プロジェクトが肥大化する可能性があります。これはパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。

カスタマイズの複雑さ:既存のシステムを大幅に変更しようとすると、予想外の問題が発生することがあります。テンプレートの設計思想を理解していないと、修正が困難になります。

依存性とロックイン:特定のテンプレートに深く依存すると、後から別のシステムに移行することが非常に難しくなります。

学習曲線の急峻さ:高機能なテンプレートほど、その仕組みを理解するのに時間がかかります。ドキュメントが不十分な場合、むしろ開発が遅れることもあります。

ライセンスとサポートの問題:テンプレート作成者がサポートを終了したり、UE5の新バージョンに対応しなくなったりするリスクがあります。

テンプレート使用の成功戦略

徹底的な理解:テンプレートを使用する前に、すべてのシステムを理解するための時間を投資します。ブループリントを一つずつ開いて、動作を確認し、コメントを読みます。

段階的なカスタマイズ:一度にすべてを変更せず、小さな変更を加えてはテストするというプロセスを繰り返します。バージョン管理(Git)を使用して、問題が発生した時に戻れるようにします。

不要な機能の削除:自分のゲームに必要ない機能は早い段階で削除します。これによりプロジェクトがすっきりし、パフォーマンスも改善します。

独自要素の追加:テンプレートの基本機能をそのまま使いつつ、独自のゲームメカニクス、ビジュアルスタイル、ストーリーを加えることで差別化します。

ドキュメントの作成:自分で変更した部分を詳細にドキュメント化します。後から見返した時に、なぜその変更を行ったのかを理解できるようにします。

コミュニティの活用:同じテンプレートを使用している他の開発者とコミュニティで情報交換します。問題解決のヒントや、カスタマイズのアイデアを得られます。

推奨テンプレート(UE5 Marketplace)

Action RPG Template:包括的なアクションRPGシステムで、戦闘、インベントリ、スキルシステムが実装されています。

Third Person Shooter Template:TPS視点のアクションゲーム用テンプレート。射撃メカニクス、カバーシステム、敵AIが充実しています。

Advanced Locomotion System V4(ALSV4):最高品質のキャラクター移動システム。アニメーションブレンディングが非常に滑らかです。

Survival Game Template:クラフト、リソース収集、建築などのシステムが含まれています。アクションゲームに生存要素を加えたい場合に最適です。

Hack and Slash Template:近接戦闘中心のアクションゲーム用。コンボシステム、ロックオンシステムが実装済みです。

アプローチ3:完全自作開発

完全自作とは

すべてのシステム、モデル、アニメーション、サウンドを自分で作成する、または外部のフリーランサーに個別に依頼する開発方法です。

メリット

完全なオリジナリティ:他のゲームと一切被らない、完全に独自のゲームを作成できます。これは最大の差別化要因となります。

完全なコントロール:すべてのシステムを自分で設計・実装するため、どんな変更も自由に行えます。制限がありません。

深い理解と成長:すべてを自分で作ることで、ゲーム開発の全工程を深く理解できます。この経験は将来のプロジェクトで非常に価値があります。

技術的優位性:独自の最適化、独自のシステムにより、パフォーマンスや機能面で他のゲームを上回ることができます。

知的財産権の完全所有:すべてが自分の創作物であるため、ライセンスの心配がなく、将来的な展開(続編、派生作品など)も自由です。

ポートフォリオとしての価値:業界でキャリアを築きたい場合、完全自作のゲームは最高のポートフォリオになります。

デメリット

圧倒的な開発期間:個人開発者が完全自作でゲームを完成させるには、通常2〜5年以上かかります。これは現実的な問題です。

広範なスキルセットの要求:プログラミング、3Dモデリング、アニメーション、サウンドデザイン、UIデザイン、ゲームデザインなど、すべてのスキルが必要です。これらをすべて習得するには何年もかかります。

クオリティの不均一性:すべての分野で専門家レベルに達するのは不可能に近いため、どこかの部分でクオリティが低くなる可能性があります。

モチベーション維持の困難:長期間にわたる開発で、多くの開発者が途中で挫折します。「完璧を目指すと完成できない」という問題に直面しやすいです。

高い失敗リスク:すべてを自分で試行錯誤するため、技術的な壁にぶつかって進められなくなるリスクがあります。

市場投入の遅れ:開発に時間がかかりすぎると、ゲーム市場のトレンドが変わってしまい、リリース時には時代遅れになっている可能性があります。

コストの問題:すべてのソフトウェア(Maya、Substance Painter、Houdiniなど)を購入すると、月額数万円のコストがかかります。

完全自作の成功戦略

スコープの厳格な制限:最初から大作を目指さず、非常に小規模なゲーム(プレイ時間30分〜1時間)から始めます。完成させることが最優先です。

段階的リリース:Early Access、アルファ版、ベータ版という段階的なリリースを計画し、フィードバックを得ながら開発を進めます。

コアループの完成を最優先:グラフィックスやストーリーよりも、ゲームプレイの楽しさ(コアループ)を最優先で完成させます。プロトタイプで楽しくなければ、完成しても楽しくありません。

モジュール化された開発:機能を小さなモジュールに分割し、一つずつ完成させていきます。すべてを同時に進めると、どれも中途半端になります。

定期的な進捗公開:SNSやブログで定期的に進捗を公開します。外部からのフィードバックとプレッシャーがモチベーション維持につながります。

一部の外注:すべてを自作する必要はありません。最も苦手な分野(例:サウンド)は外注やフリーアセットを使い、得意な分野に集中します。

学習リソースの活用:YouTube、Udemy、公式ドキュメント、フォーラムなど、無料または低コストの学習リソースを最大限活用します。

自作に必要なスキルと学習順序

第1段階:ブループリント/プログラミング(最優先)

  • UE5のブループリントシステムの基礎
  • 変数、関数、イベント、フローコントロールの理解
  • C++の基礎(必須ではないが、パフォーマンス最適化に有利)

第2段階:ゲームデザイン(並行して学習)

  • ゲームループの設計
  • レベルデザインの基本
  • 難易度調整と進行カーブ

第3段階:3Dモデリング(時間がかかる)

  • Blenderの基礎操作
  • ローポリモデリング技術
  • UV展開とテクスチャリング
  • リギングとウェイトペイント

第4段階:アニメーション(モデリングの後)

  • キーフレームアニメーション
  • アニメーションブレンディング
  • UE5のAnimation Blueprintの使用

第5段階:VFX/エフェクト(後回しでも可)

  • UE5のNiagaraシステム
  • パーティクルエフェクトの作成
  • マテリアルエディタの活用

第6段階:サウンドデザイン(外注も検討)

  • DAW(Digital Audio Workstation)の使用
  • 効果音の編集
  • BGMの作曲またはフリー音源の活用

ハイブリッドアプローチ:現実的な最適解

実際のところ、完全に一つのアプローチに固執する必要はありません。むしろ、各アプローチの良いところを組み合わせる「ハイブリッドアプローチ」が、個人開発者にとって最も現実的で効果的です。

ハイブリッド戦略の具体例

戦略1:テンプレート + カスタムアセット

基本的なゲームシステムはテンプレートを使用し、主要キャラクターや独自の敵、環境の一部は自作またはカスタムアセットを使用します。これにより、開発期間を抑えつつ、独自性も確保できます。

戦略2:アセット + 自作システム

環境やキャラクターはアセットを使用し、ゲームの核となる独自のメカニクス(特殊な戦闘システム、パズル要素など)は自分で実装します。これにより、ビジュアルクオリティを確保しつつ、ゲームプレイで差別化できます。

戦略3:テンプレート + アセット + 一部自作

テンプレートで基本システムを構築し、アセットでビジュアルを強化し、最も重要な要素(主人公キャラクター、独自の武器システムなど)だけを自作します。これは時間とクオリティのバランスが最も取れたアプローチです。

推奨ワークフロー

フェーズ1:プロトタイピング(1〜2週間)

テンプレートまたは簡単なブループリントで、ゲームの核となるメカニクスをプロトタイプします。この段階ではビジュアルは無視し、「楽しいかどうか」だけを検証します。

フェーズ2:垂直スライスの作成(1〜2ヶ月)

ゲームの1レベルまたは1ステージを完成度高く作り上げます。この段階でアセットを選定し、基本的なビジュアルスタイルを確立します。これが完成形のサンプルとなります。

フェーズ3:コンテンツ拡張(2〜4ヶ月)

垂直スライスを基準に、レベル、敵、武器などのコンテンツを拡張していきます。この段階では「量産」が鍵となります。

フェーズ4:ポリッシュとバグ修正(1〜2ヶ月)

UI/UXの改善、サウンド追加、パフォーマンス最適化、バグ修正を行います。この段階を軽視すると、販売時のネガティブレビューにつながります。

フェーズ5:マーケティングとリリース準備(1ヶ月)

トレーラー作成、Steamページ作成、プレスキット準備、ベータテスト実施などを行います。

販売プラットフォームの選択

Steam(最もメジャー)

メリット:最大のPC ゲームプラットフォーム。ユーザー数が圧倒的に多く、販売機会が最大です。Steamworksの機能(実績、クラウドセーブ、マルチプレイヤーなど)を利用できます。

デメリット:登録料100ドル(約15,000円)が必要。競争が非常に激しく、埋もれやすいです。売上の30%がSteamに手数料として取られます。

推奨度:本格的に販売したい場合は必須。ただし、ある程度のクオリティと完成度が求められます。

itch.io(インディー向け)

メリット:登録無料。手数料は自分で設定できる(0%〜100%)。インディーゲームに理解のあるコミュニティ。実験的なゲームも受け入れられやすいです。

デメリット:Steamに比べてユーザー数が少なく、大きな売上は期待しにくいです。

推奨度:初めての販売、実験的なゲーム、小規模なプロジェクトに最適です。

Epic Games Store

メリット:手数料が12%とSteamより低い。Epic Gamesが注目するゲームは大きくプロモーションされます。

デメリット:審査が厳しく、一定のクオリティが必要。個人開発者が簡単に登録できるわけではありません。

推奨度:高品質なゲームを作れる自信がある場合は検討の価値あり。

独自サイト(GameHubのような無料配布)

メリット:完全にコントロールでき、手数料なし。ポートフォリオとして最適。フィードバックを得やすいです。

デメリット:収益化が困難。認知度を上げるのが難しいです。

推奨度:最初の数作品、または販売前のベータテストに最適です。

価格設定の戦略

価格帯の目安

500円〜980円:プレイ時間1〜2時間の短編ゲーム。ビジュアルやゲームプレイに独自性がある場合。

980円〜1,980円:プレイ時間3〜5時間。ある程度の完成度とコンテンツ量がある中編ゲーム。

1,980円〜2,980円:プレイ時間5〜10時間以上。高品質なビジュアル、充実したゲームプレイ。

2,980円以上:非常に高品質で、大規模なコンテンツ。個人開発者がこの価格帯で成功するのは難しいです。

価格設定のポイント

最初は低めに設定:レビューを集めるため、最初は低価格で販売し、評価が高まったら徐々に値上げするという戦略もあります。

セールの活用:定期的にセールを行うことで、新規ユーザーを獲得できます。Steamのセールイベントに合わせると効果的です。

リリース割引:リリース直後の1〜2週間は10〜20%オフにすると、初動の売上を伸ばせます。

クオリティを上げるための具体的テクニック

ビジュアルクオリティの向上

ライティングの重要性:UE5のLumenを活用し、リアルタイムグローバルイルミネーションを設定します。適切なライティングだけで、同じアセットでも見違えるほど美しくなります。

ポストプロセスエフェクト:Bloom、Color Grading、Depth of Fieldなどを適切に設定することで、映画的なビジュアルを実現できます。

統一されたカラーパレット:ゲーム全体で統一されたカラーパレットを使用します。これだけで、異なるアセットでも統一感が生まれます。

デカールとディテールの追加:地面に汚れ、壁に傷、環境にディテールを加えることで、リアリティが増します。

Naniteの活用:UE5のNanite技術を使用すれば、超高品質なメガスキャンアセット(無料)を大量に配置してもパフォーマンスが維持されます。

ゲームプレイクオリティの向上

フィードバックの強化:プレイヤーのアクション(攻撃、ダメージ、アイテム取得など)に対して、視覚的・聴覚的・触覚的(コントローラーの振動)フィードバックを必ず用意します。

チュートリアルの洗練:プレイヤーが自然に操作を学べるようなチュートリアルを設計します。テキストばかりの説明は避け、実際にプレイしながら学べるようにします。

難易度カーブの調整:最初は簡単で、徐々に難しくなる自然な難易度カーブを作ります。何度もプレイテストを行い、どこで詰まるかを確認します。

セーブシステムの実装:プレイヤーが進行を失わないよう、適切なタイミングでのオートセーブまたはマニュアルセーブを実装します。

パフォーマンス最適化:目標フレームレート(60fps)を安定して維持できるよう、LOD(Level of Detail)、オクルージョンカリング、適切なテクスチャサイズなどで最適化します。

サウンドクオリティの向上

効果音の重要性:足音、武器の音、環境音など、すべてのアクションに適切な効果音を付けます。無音は不自然で安っぽく感じられます。

BGMの選択:ゲームの雰囲気に合ったBGMを選びます。自分で作曲できない場合は、フリー音源サイト(Incompetech、Purple Planet Musicなど)や、有料の音楽ライブラリ(Epidemic Sound、Artlistなど)を活用します。

3Dオーディオの実装:UE5の空間オーディオ機能を使用し、音源の位置や距離を正確に表現します。これにより没入感が大幅に向上します。

音量バランスの調整:BGM、効果音、環境音のバランスを適切に調整します。プレイテストで、「音が大きすぎる」「聞こえない」といった問題を修正します。

UIクオリティの向上

読みやすいフォント:小さい画面でも読みやすいフォントを選びます。日本語対応の場合は、日本語フォントの見栄えも確認します。

一貫したデザイン言語:ボタン、メニュー、HUDなどで、色、形、アニメーションスタイルを統一します。

レスポンシブデザイン:異なる解像度やアスペクト比に対応したUIを作ります。4K、フルHD、ウルトラワイドモニターすべてで適切に表示されるか確認します。

アニメーションとトランジション:メニューの開閉、ボタンのホバーエフェクトなど、適度なアニメーションを加えることで、UIが洗練されます。

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:機能を追加し続けて完成しない

症状:「あれも実装したい、これも実装したい」と新機能を追加し続け、いつまでも完成しません。

対策:最初に「必須機能リスト」と「あれば良い機能リスト」を明確に分け、必須機能だけでまず完成させます。追加機能はアップデートで対応すると決めます。

失敗パターン2:最初から完璧を目指す

症状:一つ一つのシステムを完璧にしようとして、開発が遅々として進みません。

対策:「動くバージョン」をまず作り、後から改善する方針に切り替えます。80%の完成度で先に進み、最後にまとめて磨き上げる方が効率的です。

失敗パターン3:フィードバックを無視する

症状:友人や家族にプレイしてもらっても、ネガティブなフィードバックを受け入れられず、改善しません。

対策:自分の作品への客観性を持ち、複数の人からのフィードバックに共通する点は必ず改善します。特に「つまらない」「難しすぎる」という意見は重要です。

失敗パターン4:マーケティングを後回しにする

症状:ゲームが完成してからマーケティングを始めようとします。

対策:開発初期からSNS、ブログ、YouTubeで進捗を公開し、コミュニティを育てます。リリース時には既にファンベースができている状態が理想です。

失敗パターン5:技術的負債の蓄積

症状:「とりあえず動けばいい」と雑なコードを書き続け、後から修正不可能になります。

対策:定期的にコードのリファクタリング(整理)を行います。最初から、ある程度の構造化とコメントを心がけます。

学習リソースと参考情報

日本語リソース

YouTube チャンネル

  • 「UE5の歩き方」:UE5の基本から応用まで丁寧に解説
  • 「神速3DCG」:3Dモデリングとゲーム開発の実践的チュートリアル
  • 「けんちょ / Unity, Unreal Engine」:UE5の最新機能の紹介

書籍

  • 「Unreal Engine 5で学ぶビジュアルスクリプティング」:ブループリントの基礎から応用
  • 「UE5ではじめるゲーム制作」:初心者向けの包括的ガイド

コミュニティ

  • Unreal Engine Japan公式Discord
  • UE5 日本語フォーラム

英語リソース

公式ドキュメント

  • Unreal Engine Documentation:最も信頼できる情報源
  • Unreal Online Learning:Epic Gamesの無料オンラインコース

YouTube チャンネル

  • Unreal Sensei:実践的なゲームメカニクスチュートリアル
  • Matt Aspland:プロフェッショナルなワークフロー
  • Ryan Laley:環境アート、ライティング

Udemy コース

  • 「Unreal Engine 5 C++ Developer」:C++とUE5の包括的コース
  • 「Unreal Engine 5: The Complete Beginner’s Course」:初心者向け

アセット・テンプレートリソース

無料リソース

  • Quixel Megascans:UE5で無料の超高品質3Dスキャン
  • Epic Games 月額無料アセット:毎月5つ以上のアセットが無料
  • Mixamo:無料のキャラクターとアニメーション

有料だが高品質

  • Unreal Engine Marketplace:公式マーケットプレイス
  • Sketchfab:3Dモデルの巨大なライブラリ
  • CGTrader:プロフェッショナルな3Dアセット

開発スケジュールの現実的な見積もり

小規模プロジェクト(プレイ時間30分〜1時間)

アセット/テンプレート中心:2〜4ヶ月 ハイブリッド:3〜6ヶ月 完全自作:6〜12ヶ月

中規模プロジェクト(プレイ時間3〜5時間)

アセット/テンプレート中心:6〜10ヶ月 ハイブリッド:10〜18ヶ月 完全自作:18〜36ヶ月

大規模プロジェクト(プレイ時間10時間以上)

個人開発では非推奨。チームでの開発を検討すべきです。

GameHubからSteam販売への道のり

現在のGameHubで公開されているゲームを例に、Steamで販売可能なレベルに引き上げるための具体的なステップを提案します。
実際はやらないけどね

販売用は最初から作ります。

ステップ1:現状分析(1週間)

既存のゲームをプレイし、客観的に評価します。友人、家族、オンラインコミュニティにプレイしてもらい、率直なフィードバックを集めます。

チェック項目

  • バグはどれくらいあるか?
  • ゲームプレイは楽しいか?
  • ビジュアルは統一されているか?
  • UIは使いやすいか?
  • サウンドは適切か?
  • プレイ時間は十分か?

ステップ2:改善計画の策定(1週間)

フィードバックを基に、優先順位を付けた改善リストを作成します。

高優先度:ゲームが成立するために絶対必要な改善(致命的なバグ、ゲームバランス) 中優先度:販売するために必要な改善(ビジュアルの統一、UI改善、チュートリアル) 低優先度:あれば良い改善(追加コンテンツ、グラフィックスの更なる向上)

ステップ3:コアゲームプレイの改善(1〜2ヶ月)

ゲームの「楽しさ」の核を磨き上げます。戦闘システム、移動、カメラ、敵AIなど、プレイヤーが最も多く触れる部分を重点的に改善します。

ステップ4:ビジュアルの統一と向上(1〜2ヶ月)

アセットの見直し、ライティングの調整、エフェクトの追加などで、全体的なビジュアルクオリティを引き上げます。特に、統一感を重視します。

ステップ5:UI/UXの全面刷新(2〜4週間)

メニュー画面、HUD、設定画面などを、プロフェッショナルなレベルに引き上げます。UIはゲームの「顔」であり、第一印象を決定します。

ステップ6:コンテンツの拡充(1〜3ヶ月)

最低でも1〜2時間のプレイ時間を確保できるよう、レベル、敵、武器などのコンテンツを追加します。

ステップ7:サウンドデザインの完成(2〜4週間)

すべての効果音、BGM、環境音を実装し、音量バランスを調整します。

ステップ8:徹底的なバグテスト(2〜4週間)

できるだけ多くの人にプレイしてもらい、バグを報告してもらいます。すべての重大なバグを修正します。

ステップ9:最適化(2〜4週間)

様々なPC環境で安定して動作するよう、パフォーマンスを最適化します。最低動作環境を明確にします。

ステップ10:マーケティング準備(1ヶ月)

トレーラー作成、Steamページ作成、プレスキット準備、SNSでのプロモーションを行います。

合計開発期間:6〜12ヶ月(現状のゲームをベースに、ハイブリッドアプローチで改善する場合)

収益化の現実と期待値

個人開発ゲームの平均的な売上

厳しい現実ですが、Steam上の個人開発ゲームの多くは、初年度で1,000本未満の販売です。価格を1,000円と仮定すると:

  • 売上:1,000本 × 1,000円 = 100万円
  • Steamの手数料30%を引くと:70万円
  • 税金(所得税・住民税)を引くと:約50万円

つまり、1年間開発して50万円の収入という可能性が現実的です。これは決して悲観的な数字ではなく、多くの個人開発者が直面する現実です。

成功するゲームの特徴

一方で、年間10,000本以上売れるゲームも存在します。それらに共通する特徴は:

明確なユニークセリングポイント(USP):他のゲームにはない独自の要素がある。

優れたビジュアルまたはゲームプレイ:少なくとも一つの分野で秀でている。

効果的なマーケティング:YouTuberやStreamerに取り上げられる、バイラルなトレーラー、SNSでの話題性。

適切な価格設定:コンテンツ量と品質に見合った価格。

ポジティブなレビュー:Steam上で75%以上の肯定的評価。

最終的な判断基準:いつ販売すべきか

販売可能と判断できる基準

以下のすべてを満たしたら、販売可能と判断できます:

  1. 完成したゲームループ:始まりから終わりまで、一貫したゲーム体験がある
  2. 最低1時間のプレイ時間:リプレイ性を含めて、1〜2時間は楽しめる
  3. 重大なバグがない:プレイを妨げるバグ、クラッシュがない
  4. 統一されたビジュアル:アセットやスタイルが統一されており、プロフェッショナルに見える
  5. 機能するUI:メニュー、設定、HUDが直感的で、見栄えが良い
  6. 適切なサウンド:すべての重要なアクションに効果音があり、BGMがある
  7. 10人以上のテストプレイヤーからの肯定的フィードバック:友人や家族だけでなく、第三者からも「面白い」という評価
  8. 安定したパフォーマンス:一般的なPCで60fps以上で動作する

販売を延期すべきサイン

  • テストプレイヤーの半数以上が「つまらない」「バグが多い」と言う
  • 自分自身がプレイして楽しくない
  • ゲームが30分以内に終わってしまう
  • ビジュアルがバラバラで統一感がない
  • 頻繁にクラッシュする

これらの問題がある場合は、まず改善に集中すべきです。

あなたに最適なアプローチは?

こんな人にはアセット中心がおすすめ

  • ビジュアルクオリティを重視したい
  • できるだけ早くリリースしたい
  • プログラミングやゲームデザインに集中したい
  • 3Dモデリングやアニメーションのスキルがない、または学ぶ時間がない

こんな人にはテンプレート中心がおすすめ

  • ゲーム開発の経験が浅い
  • 複雑なシステム(戦闘、インベントリなど)を自分で作る自信がない
  • 学習リソースとして活用したい
  • 短期間でプレイ可能な状態にしたい

こんな人には完全自作がおすすめ

  • 長期的な視点で開発できる(1〜3年)
  • すべてのスキルを学びたい
  • 完全にオリジナルなゲームを作りたい
  • ゲーム開発をキャリアにしたい
  • 時間とモチベーションが十分にある

ほとんどの人にはハイブリッドがおすすめ

現実的には、ハイブリッドアプローチが最もバランスが取れています。テンプレートやアセットで時間を節約しつつ、重要な部分だけを自作して独自性を出すことで、現実的な期間で販売可能なクオリティに到達できます。

完成させることの価値

ゲーム開発で最も難しいのは、「完成させること」です。多くの開発者が途中で挫折し、完成を見ることなくプロジェクトを放棄します。

最初のゲームは傑作である必要はありません。

重要なのは、最初から最後まで完成させる経験を得ることです。その経験こそが、次のゲーム、その次のゲームをより良いものにする礎となります。

GameHubで公開されているゲームは、すでに「完成させた」という点で、多くの人が到達できないレベルに達しています。そこから、一歩ずつクオリティを上げていけば、必ず販売可能なレベルに到達できます。

完璧を目指す必要はありません。ただし、プレイヤーに価値を提供できるクオリティは必要です。そのバランスを見極め、まずは完成させること。それが、個人ゲーム開発者としての成功への第一歩です。

あなたのゲームが、多くのプレイヤーに楽しまれる日を楽しみにしています。頑張ってください!

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